ASSTranse

ASSTranseの特徴を一言でいえば、車両1台1台の挙動を、出来る限り、リアルに再現しようとすることです。 渋滞のような交通現象だけではなく、同時に、交通事故などのシミュレーションも行えるようにしようという目標を掲げ、開発が進められてきました(これまでにASSTranseの基礎技術は予防安全シミュレータASSTREETの開発に役立てられています)。

ASSTranseは、マルチエージェント・シミュレーションの一種です。現実の交通流が一人一人のドライバが周囲環境を知覚・認識し、適切な判断を下して車両を運転した結果として生じる車両群の移動現象であるのと同じように、マルチエージェント交通流シミュレーションでは、車両一台一台に搭乗しているドライバ・エージェントが周囲環境を知覚・認識して、適切な判断を行って車両の運転を行うことで、交通流をシミュレーションします。
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DS-nano-は、ASSTranseと連携して動作し、他車両や歩行者・自転車の生成・制御をASSTranseで行っています。ASSTranseの視点でいえば、エージェントによって制御されている多数の車両のうちの一台だけが、実際のドライバーの運転操作に基づいて動いていることになります。

実際のドライバーの運転操作に基づいて動いている車両をエージェントが認識するということは、エージェントが他のエージェントの運転する車両を認識するロジックをそのまま用いれば良く、とても容易なことです。ただし、そのためには、DS-nano-に付属する道路環境エディタERIS3を使用して、ASSTranse用の道路環境データを設定する必要があります。背景CGデータを先に作っておいて、その上に、ASSTranse用道路環境データを作成していきます。

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ASSTranseと連携することのメリット:

ASSTranseと連携することで、交通渋滞などの他車両が極めて多く存在している交通場面を再現することが容易になります。1台1台の車両の行動を予め規定しておく必要のあるシナリオ・ベースのシミュレーションでは、渋滞を作り出すのは大変手間のかかる作業となります。

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ASSTranseのエージェントは、ドライバ・エージェント・モデルに使って運転行動を自律的に決定するエージェント・モードのほか、一定速度/車間距離制御モード、速度プロフィール制御モードなど、いくつかの制御モードを備えています。そして、これらの制御モードは、DS-nano-のシナリオ機能によって、走行中に外部から変更することが可能です。これによって、いろいろな車両挙動を再現することができます。

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車線変更についても、すでにエージェント・モデル内に必要機能は実装されていますので、車線変更コマンドを外部からエージェントに与えるだけで簡単に実現することができます。